モノポールと数論

 人間が存在するためにはバリオン数生成が必要だが、バリオン数生成はハドロンにおけるクォークの閉じ込めを引き起こす。数論(超弦理論)はクォークの閉じ込めを設計するために生じ、その数論(超弦理論)はモノポール(これは光媒質の内部(地平線の外部)にある)が設計する。(一般にチューリングマシンの稼働と設計は時間の向きが異なるので異なる宇宙で生じる。)バリオン数生成は物質宇宙と背景宇宙で生じ細胞宇宙と不動産宇宙では生じないので、細胞宇宙と不動産宇宙にモノポールによる数論(超弦理論)の設計は生じない。また、モノポールが物質宇宙にあるとき、それが設計する数論(超弦理論)は背景宇宙にあり、その数論(超弦理論)が設計するクォークの閉じ込めは物質宇宙にある。
 一般に、非因果的対応は、ある観測対象について2個そろうことて互いに保証し合う。(何の制約もないパラメータがあるとき、そのパラメータを非保存量とする非保存則の順過程や逆過程が生じ、そのパラメータを極値(この場合は2個)にする。)たとえば、数論と N = 2 超対称ヤン・ミルズ理論の非因果的対応(数論によるクォークの閉じ込めの設計)は、モノポールと数論の非因果的対応(モノポールによる数論の設計)と保証し合う。一方、数論は超弦理論(ミラー対称性とAdS/CFT対応)と因果的に対応する。(ただし、超弦理論は光媒質の内部にある。)これらを図示すると、 L A H B C D,E     である。ただし、 は非因果的対応を表し、 は因果的対応を表す。また、 L は光を表し、 H はハドロンを表す。また、 A はモノポール、 B は数論、 C N = 2 超対称ヤン・ミルズ理論、 D はミラー対称性、 E はAdS/CFT対応である。また、数論( B )とミラー対称性( D )やAdS/CFT対応( E )は因果的につながるので同一視できる。また、同種の非因果的対応は互いに保証し合えないが、モノポール( A )と数論( B )は地平線の内部を含まない非因果的対応であり、 N = 2 超対称ヤン・ミルズ理論( C )と数論( B )は地平線の内部を含む非因果的対応なので、互いに保証し合える。
 モノポールは数と位相不変量を用いる解釈を持つ。たとえば、有理数 Q は整数 Z の逆数の n 倍なので、 Q = α n Z である。ただし、 Z Q は数直線上に並ぶので、 α は値が1で長さの2乗の次元を持つ。また、整数 n は数直線の伸縮の影響を受けない位相不変量である。これは、ディラックの量子化条件 g = c 2 n e と同じ形なので、モノポールの数直線的解釈である。(整数から有理数への拡大をガロア群の類似と考え、 n をエタールコホモロジーの類似と考えると、 α はガロア表現の類似であり、数直線はスキームの類似である。また、長さの次元の逆数を打ち消すことは環の類似である。)
 一方、複素平面上の点 a を中心とする2個の円をそれぞれ整数のように考えると、2個の円のあいだの領域は有理数的である。この有理数的な領域には正則関数 f ( z ) のローラン展開が定義でき、その主要部 P P = n=1 c - n z - a n c n = 1 2 π i C f ( ζ ) ζ - a n+1 d ζ である。閉曲線 C は点 a を中心とする円だが、ローラン展開の主要部 P における n を閉曲線 C の巻き数と考えると、 n はモノポールの数(特異点のまわりの巻き数)と非因果的に類似する。(一方、ローラン展開の非主要部 n=0 c n z - a n における巻き数は特異点のまわりを回らないので無視する。)また、単一閉曲線 C の内部にある有理型関数 f ( z ) の極と零点の位数和は、閉曲線 f ( C ) の原点のまわりの巻き数に等しい(偏角の原理)。これもモノポールの数と非因果的に類似する。これらは、モノポールの複素平面的解釈である。
 モジュラー形式 f a z + b c z + d = c z + d k f z a d- b c = 1 の特別な場合 z k f z = f - 1 z a b c d = 0 -1 1 0 は、モノポールの数直線的解釈 Q = α n Z に、非因果的な置き換え Q f ( z) α 1 Z f - 1 z n z - k を行って得られる。ただし、幾何学的定数 α を省略するために、 Q Z を関数 f のなかに押し込む。また、 Q Z は同じ数直線上にあるので、同じ変数 z に対応し、省略される α - 1 に対応する。また、 k 0 のとき n 1 なので、 k = n - 1 である。(これは非指数 n と指数 k の非因果的な置き換えである。) n が加算されると、 Q z も加算されるが、 k は一定という条件で z を加算するとき、 n も一定なので、 z の加算はキャンセルされて元に戻る。すなわち、次のモジュラー形式が成り立つ。 f z + 1 = 1 k f z a b c d = 1 1 0 1  このモジュラー形式はℓ進ガロア表現に対応する。すなわち、重さ k 0 のある種のモジュラー形式は、1次元ℓ進ガロア表現に対応する。また、重さ k 1 のモジュラー形式は、像が有限の2次元ℓ進ガロア表現に対応し、重さ k 2 以上のモジュラー形式は、像が無限の2次元ℓ進ガロア表現に対応する。(省略された幾何学的定数 α がℓ進ガロア表現として復活する。なお、モジュラー形式は、モジュラー形式のL-関数(解析的なL-関数)とモジュラー形式に伴うℓ進ガロア表現のL-関数(数論的なL-関数)を結びつける。)
 モジュラー形式は、ディリクレ級数(解析的なL-関数) n=1 a n n s や数論的なL-関数(エタールコホモロジー)と結びつくが、ディリクレ級数はローラン展開の主要部 P と非因果的に類似し、エタールコホモロジーは偏角の原理と非因果的に類似する。(ローラン展開の主要部 P において a 0 としてから指数 n と非指数 z を非因果的に置き換えるとディリクレ級数を得る。また、リーマン面上の有理型微分形式の極と零点の位数和はオイラー数に等しいことを導くリーマン・ロッホの定理は偏角の原理の非因果的類似だが、リーマン・ロッホの定理は数論的にはエタールコホモロジーと結びつくので、エタールコホモロジーは偏角の原理の非因果的類似である。)
 ディリクレ級数は n=1 a n e -s logn と変形できるが、これに非因果的な置き換え s logn S a n D q を行うと、経路積分 D q e - S を得る。ただし、 D q は場 q の様々な配位を表す。 N = 2 超対称ヤン・ミルズ理論の作用 S はドナルドソン不変量を定めるので、ディリクレ級数はドナルドソン理論と非因果的に類似する。また、 N = 4 超対称ヤン・ミルズ理論から得られるAモデル型の4次元理論(これはサイバーグ・ウィッテン理論に対応する)とそれをコンパクト化して得られるAモデル型の2次元理論(これはエタールコホモロジーに対応する)は(次元が異なるので)非因果的に類似する。(一般に、ある因果律にもとづく空間を別の因果律にもとづく空間にすること(空間のコンパクト化)は非因果的である。すなわち、物質宇宙をコンパクト化すると背景宇宙になり、背景宇宙をコンパクト化すると物質宇宙になる。)また、モジュラー形式は(サイバーグ・ウィッテン理論とドナルドソン理論をつなぐ)S-双対性と非因果的に類似する。(このドナルドソン理論は、 N = 4 超対称ヤン・ミルズ理論から得られるBモデル型の4次元理論だが、それをコンパクト化して得られるBモデル型の2次元理論はド・ラームコホモロジーに対応する。なお、このド・ラームコホモロジーは解析的なL-関数に対応する。)
 数論と N = 2 超対称ヤン・ミルズ理論は非因果的に類似するが、 N = 2 超対称ヤン・ミルズ理論と超弦理論(ミラー対称性とAdS/CFT対応)も非因果的に類似する。一方、数論と超弦理論(ミラー対称性とAdS/CFT対応)は因果的に類似する。それらの関係を図示すると、以下のようになる。 A1 A2 A3 B1 B2 B3 C1 C2 C3 D1 D2 D3 E1 E2 E3 ただし、 は非因果的対応を表し、 は因果的対応を表す。また、 A 行はモノポールと複素解析であり、 A1 は偏角の原理、 A2 はモノポール、 A3 はローラン展開の主要部である。また、 B 行は数論であり、 B1 はエタールコホモロジー(数論的なL-関数)、 B2 はモジュラー形式、 B3 はディリクレ級数(解析的なL-関数)である。また、 C 行は N = 2 超対称ヤン・ミルズ理論であり、 C1 はサイバーグ・ウィッテン理論、 C2 はS-双対性、 C3 はドナルドソン理論である。また、 D 行はミラー対称性であり、 D1 はAモデル、 D2 はT-双対性、 D3 はBモデルである。また、 E 行はAdS/CFT対応であり、 E1 はD3ブレーン、 E2 はS-双対性、 E3 N = 4 超対称ヤン・ミルズ理論(物質とゲージ場)である。(AdS/CFT対応で結びつく E1 (D3ブレーン)と E3 N = 4 超対称ヤン・ミルズ理論)の各々は、 E2 (S-双対性)に対して自己双対である。)
 なお、 A 行(モノポールと複素解析)と B 行(数論)の対応は地平線の内部を含まない対応だが、 B 行(数論)と C 行( N = 2 超対称ヤン・ミルズ理論)の対応は地平線の内部を含む対応である。この違いは A 行(モノポールと複素解析)における横の対応と C 行( N = 2 超対称ヤン・ミルズ理論)における横の対応の違い(前者は非因果的で後者は因果的である)に反映される。また、数論(超弦理論)の構造は非因果的に決まるが、その構造は N = 2 超対称ヤン・ミルズ理論と地平線上で因果的に対応できる。
 Bモデル( D3 )はIIB型超弦理論に対応するのでS-双対性により自分自身に移る。このS-双対性はM理論によりT-双対性( D2 )と同一視できるので、Bモデル(のなかの一部)は D1 の位置に来れる。この D1 は、移動する一部がD3ブレーンと7-ブレーンのときは C1 に対応し、移動する一部がD3ブレーンのみのときは E1 に対応する。これは C 行や E 行では D 行と異なり3列目の計算が1列目の計算により簡略化されることに対応する。(7-ブレーンはコンパクト化されているので、D3ブレーンと7-ブレーンの因果的な組み合わせと C1 との対応は非因果的である。一方、D3ブレーンはコンパクト化されていないので、D3ブレーンと E1 との対応は因果的である。)
 光媒質の内外は境界上(地平線上)で因果的に相互作用する。(ただし、光媒質の内外とその境界は空間の1点を共有する。)すなわち、超対称性粒子は C 行( N = 2 超対称ヤン・ミルズ理論)と地平線上で因果的に相互作用し、 E3 N = 4 超対称ヤン・ミルズ理論すなわち物質とゲージ場)は地平線上で超対称性粒子やD3ブレーンと因果的に相互作用する。なお、電弱ゲージ場と因果的に相互作用するヒッグス場も(超対称性粒子と同様に)地平線上にある。また、 N = 2 超対称ヤン・ミルズ理論はクォークの閉じ込めを説明するが、 N = 4 超対称ヤン・ミルズ理論は(AdS/CFT対応により)ヴェネチアーノ振幅を説明する。また、AdS/CFT対応のS-双対性は幾何学的ラングランズ対応(Aモデル型の2次元理論とBモデル型の2次元理論の対応)を通じてミラー対称性のT-双対性と結びつくが、これはAdS/CFT対応とミラー対称性の因果的対応(幾何学的ラングランズ対応とミラー対称性の同一視)に該当する。

公開日2025年06月21日
最終更新日2025年11月13日
144thousandshares株式会社
代表取締役 大安のぼる



会社概要 | プライバシーポリシー | お問い合わせ

© Since 2022 144thousandshares Corp.